第26章 そうだ、京都へ行こう。の巻
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翔くんは、ニコニコ笑いながら「舞妓さんは文化」だと言う丸山さんを見ると
物凄い微妙な顔をして、急に黙り込んでしまった
「…………」(←言えるものなら言いたいけど肝心の嫁が何処に居るか解らないんだよと思っている)←目の前に居るんだけどね(笑)
(てか、翔くん…やっぱり僕に逢いに来てくれたんだよね?)
嬉しいと思う反面、僕は
仕事はどうしたんだろう、サボって来ちゃったんだろうかとか
何処に泊まるとか何をするとか話してないのに、どうやって僕を捜すつもりだったんだろうとか
そんなことを思った
「……あの。」
僕は少し俯きながら、出来るだけ声色を変えて言った
「…お二人は、お仕事されてないんですか?」
「ぼかぁ今日この一期一会の為に有給取りましたからっ!!」
何故かどや顔で仰け反る亮さん
僕は、その隣で相変わらず微妙な顔をして黙っている翔くんを見た
「…あなたは?」
「は?俺っすか?
俺は……同僚が仕事を代わってくれたんで、休みを取って……奥さん捜しに来ました///」
(やっぱり僕に逢いに来てくれたんだ///
…てか、同僚って村上さんかなぁ?)
きっと、翔くんてば僕が居なくて仕事が手に着かなくて
見かねた村上さんが仕事代わってくれたんだ(←ちょっと違うんですけどね(笑))
「なんや、嫁さんに逃げられたんか自分!」
奥さんを捜しに来たと聞いて、亮さんが腕組みをして翔くんを見た
「ち、ちげーよっ!!」
「じゃあアレですか?喧嘩して家出とか」
鼻息を荒げて否定する翔くんに、今度は丸山さんが半笑いで言う
「喧嘩なんかしねぇよっ!!…いや、したけど、この前…」
「「したんやないかい」」
「だからっ!それはちゃんと仲直りしたもんっ!!///」
「……実は、許して無かったんじゃないんすか?」
両手を振り回して可愛く(可愛く?)反論する翔くんを見て
ニノが飛びきり悪い顔で笑いながら言った
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