第26章 そうだ、京都へ行こう。の巻
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「……弱ったな(汗)」
俺は、新幹線の自由席(窓側)に座って、車内販売で買った幕の内弁当(緑茶付き)を食いながらため息をついた
勢い付いて電車に乗り込み、東京駅で京都行きの新幹線に乗ったまでは良かったのだが
実を言えば俺は
京都へ行ったと言うこと以外、智くんが泊まっている宿は勿論
京都のどの辺りに居るのかさえ知らなかった(←ニノが翔くんが乗り込んでくることを警戒して教えなかったらしい(笑))
「…いくらなんでも、無謀すぎたかな(汗)」
「すんません」
「ふぁい?」
当てもなく京都の町をさ迷うってのもどうなんだよ、と思いながら飯を口に頬張ったら
関西弁丸出しの声に呼ばれた
「隣、大丈夫っすか?」
「ふぁあ、ふぁいひょふぶっふよ」
「………はい?」
(まずい…飯を飲み込まなければ(汗))
俺は、その場に智くんが居たら確実に
「んもう、翔くんたら、そんなにたくさんお口にいれるからぁ♡」
って、可愛く怒られる程に詰め込んだ飯をお茶で流し込んで
眉間にしわを寄せて俺を見ている細面で色黒なイケメンに言った
「ごっくん。……あ、いや、大丈夫っすよ」
「そうですか、ほな、失礼」
そのイケメンはにっこり笑うと、どっこいしょと大きな声を出しながら俺の隣に座った
「時にお兄さん、京都まで行かれるんですか?」
「ええ、まあ…」
「じゃあ、一緒やな!
袖スリ合うもなんちゃらですわ!俺、錦戸亮言いますねん、よろしゅう!」
イケメンはいきなり名乗ると、俺に手を差し出して白い歯をキラリと光らせて笑った
「は、はあ……櫻井翔です……よろしく(汗)」
錦戸と名乗ったイケメンの勢いに圧され、おずおずと差し出した俺の手をガッツリ握ると
錦戸さんがニコニコ笑ったまま言った
「翔くんですか!お幾つですかっ!?」
「え?……ささ、30ですけど…(汗)」
「奇遇ですなぁ!僕ぁ28っす!!」
「は、はあ…(汗)」
(な、何が奇遇なんだ??)
ぽかんとする俺をよそに、何故かご機嫌でそうか30かとうんうん頷くと、錦戸さんが更に言った
「ほんじゃあ旅の記念に、僕と一緒に芸者遊びしません?」
「……………………は?」
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