第26章 そうだ、京都へ行こう。の巻
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「いやぁ、お兄さんたち、お綺麗やわぁ!
うちなんかより、ずっと様になってはりますわぁ♡」
「まぁ、ホンマにようお似合いどすぇ
このまま、お座敷に上がっても恥ずかしくないくらいどす」
「ふふふ…そうでしょう♪」
「……////」
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着付けをお鈴ちゃんとお菊さんに手伝ってもらい初めてから約一時間
がっつり鬘も着けて、ちゃんとお化粧もして
僕とニノは、本格的な舞妓さん姿になっていた
すっかり支度が済んだ僕らを見て
お鈴ちゃんとお菊さんは、大袈裟な賛美の言葉をくれた
ソレを聞いてニノはご機嫌で、鏡の前で色んなポーズを取ってハシャいでいたけど
僕はなんだか恥ずかしくて、お着物の袖を指で無意味に弄くっていた
「大野さん、どうしたんすか?舞妓姿、気に入らないの?」
「そんなコトないけど…なんか恥ずかしくて////」
「何が恥ずかしいんすか
あーた、ドコに出しても恥ずかしく無いくらい、完璧に可愛いくて綺麗っすよ?」
「そんな、だって…僕、もうイイ歳したおじさんなのに…////」
僕が相変わらず袖をにじにじしながら自分のコトを「おじさん」だって言ったら
ニノが急に怒った顔をした
「誰がおっさんです(怒)」
「え?…だから、僕…」
「あんたはね、俺の永遠のにゃんこちゃんであって、決しておっさんなんかじゃありませんっ(怒)」
「?……はぁ」
なんだかニノの言っている意味が解らなくて首を傾げたら
ニノが正座して座っていた(←正座してたの?)僕の腕を引っ張って立たせた
「もう、そんなコトどうでも良いっすよ!
それより折角だから、表を歩きましょうよ♪」
「Σえっ!?この格好で!??////」
「あったりまえじゃん!」
「で、でも…/////」
「そしたら、うちがお供いたしますえぇ」
「……え?////」
ニノに引っ張られていない方の手を掴むと
お鈴ちゃんが、にっこりと微笑んで言った
「うち、丁度、用事でちょっとソコのお茶屋さんまで行かなあきまへんかったんどすぅ
一緒に、行かはりましょう♡」
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