第26章 そうだ、京都へ行こう。の巻
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「ようこそ、おいでやすぅ」
「「こんにちわぁ!」」
翌日
僕らは予定通り、午前中を宿で温泉に浸かったりしながらゆっくり過ごした後
町中に出て、観光がてらに昼食を済ませた
そんで、今、舞妓さんの置屋に来てる訳なんだけど…
(ん〜…緊張しちゃうなぁ///)
今から舞妓さんの格好をさせてもらうとあって
僕は、なんだか必要以上に緊張していた(笑)
それに引き換えニノは
なんだかうきうきした様子で、出迎えてくれた舞妓さんにさっそく話し掛けている
「お姉さん可愛いっすねぇ、何て名前なんすか?」
出迎えてくれた舞妓さんは、みたところまだ十代後半くらいの若いお嬢さんで
ぽっちゃりとしたほっぺが愛らしい、とっても可愛らしい人だった
「鈴やっこどすぅ」
鈴やっこと名乗った若い舞妓さんは、三つ指をちょこんと畳にそろえて付くと
にっこりと笑いながら言った
「どうぞ、よろしゅうに♡」
「鈴やっこちゃん!じゃあ、お鈴ちゃんだね♪
あ、お鈴ちゃんって呼んでも大丈夫っすか?」
「よろしおすえぇ♡」
「やった♪てか、マジお鈴ちゃん可愛い♪♪」
「いややわぁ、お兄さん、お上手どすなぁ♡」
「………」(←話に入れないさとち(笑))
(ニノは、緊張しないのかなぁ?)
僕は、相変わらず緊張したままで、談笑する二人をぼんやりと眺めていた
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「お兄さんがた、ようこそおいでやす」
暫くして、お鈴ちゃんよりもお姉さんな感じの舞妓さんがお部屋に入ってきた
「あぁ、お菊姉さん」
後から来た舞妓さんを見て、お鈴ちゃんが行儀良くお辞儀をした
「あ、お姉さんは芸妓さんっすね!」
お菊さんを見て、ニノがちょっと興奮気味に言った
「よく、おわかりどすなぁ」
「だって、お着物が違うし、御髪も帯の結い方も違うし!」
「おほほ。お詳しいんどすなぁ、お兄さん」
お菊さんはお上品に、袖で口元を隠しながら笑うと、お鈴ちゃんに言った
「お鈴、お兄さんがたのお召し物をお持ちして差し上げとくれ」
「はぃ」
お鈴ちゃんはまたお行儀よくお辞儀をすると、トテトテと小股で部屋を出て行った
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