第26章 そうだ、京都へ行こう。の巻
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浴室を出た先にあった露天風呂は
ほの暗い灯りで照らされていて、すんごく情緒的で素敵だった
ニノは、めっちゃいい感じっすねとか言いながら、たっぷり肩までお湯に浸かり
僕は、のぼせ防止(笑)のため、お湯を囲んだ大きな石の中段に腰掛けて、下半身だけでお湯に浸かった
「はぁ……やっぱ、露天風呂は気持ちいぃねぇ///」
「ですよねぇ……あ゙あ゙〜〜」
湯船の真ん中でお湯に浸かり、畳んだタオルを頭の上に載せたニノが
何だかオジサン臭い声を出した
「やだな、ニノったら、オジサンみたいな声出さないでよ(笑)」
「いや、ここでおっさんみたいな声でも出しておかないと、俺、色っぽすぎるでしょ?」
ニノはそう言って悪戯っぽく笑うと、わざとらしくシナを作ってカラダをクネらせた
「んふふ……オジサンみたいな声出してても、十分色っぽいよ(笑)」
「そう言う大野くんは、なんもしてなくてもバカみたいに色っぽいっすけどね(笑)」
笑いながら、頭に乗せたタオルを手に取り、首筋の汗を拭うニノ
白くて細い首筋が、やけに色っぽい
(ニノだって、なんもしなくても色っぽいじゃん(笑))
僕は、色っぽく汗を拭いながら、わざとらしくオジサンっぽい声を出すニノを見てクスクス笑った
「なんすかぁ、そんな可愛く笑っちゃったりして」
「ん〜?…ニノって、何時もは可愛いけど、やっぱ裸になると色っぽいなぁと思って(笑)」
「あら、いやだ。今頃気付いたんすか、俺のダダ漏れる色気に」
「あははは(笑)」
ムーディな雰囲気の中で、おちゃらけて話す僕とニノ
でも
一緒に居るのが、お互いに愛する人だったら
ちょっと違った感じになっていたに違いない
(もしも翔くんと一緒だったら…)
きっと僕は、あの逞しい腕に抱かれながらお湯に浸かっていただろう
(そんで、またのぼせちゃって、翔くんに介抱してもらって…///)
「あ、大野くん、今えっちなコト考えてたでしょ?」
「えっ////」
考えていたコトを言い当てられて赤くなる僕を見て
ニノがちょっと悪い顔でニヤリと笑った
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