第26章 そうだ、京都へ行こう。の巻
.
(…相葉ちゃんは物分かりが良くて良いなぁ///)
僕は、京都へ向かう道中の車の中で
相葉ちゃんに電話しているニノの様子を横で見ながら
小さく溜め息をついた
相葉ちゃんは翔くんと違って、放任主義って言うかなんて言うか
ニノのすることに一々干渉したりすることは余りない
大抵のコトは容認してくれるし、事後報告のような形でも、怒ったり拗ねたりするコトは無いらしい
(翔くんなんか、そんなコトしたら大変だもんなぁ…
…てか、今正にその状況なんだけど(苦笑))
旅行へ行く了承は得たものの
まさか今日立つとは思っていないわけで(と言うか自分も思ってなかったけど)
家に帰って僕が居なかった日には、大慌てでパニックを起こすに決まっている
かと言って
今メールとかでそんなコトを伝えたら、きっと仕事どころでは無くなってしまうに違いない
それも、困る
「…………どうしよう(汗)」
僕は、今度は派手に溜め息をつきながら呟いた
「どうしようって、何がです?」
ニノが僕の呟きを聞いて、電話を中断して僕の顔を覗き込んだ
「ん〜……どうやって翔くんに伝えようかと思って……
……今言ったら仕事にならないだろうし、かと言って、家に帰るのを待ってからだと、翔くんパニック起こしちゃいそうだし……」
「じゃあ、雅紀に伝えてもらいます?」
「え?」
ニノはぽかんとする僕を見てにっこり笑うと言った
「あーたから伝言だとか言って、仕事終わったら真っ直ぐ雅紀の店に行くように言ってもらうんですよ
んで、そこで雅紀から今日旅行へ行ったコトを伝えてもらえば良いんです」
「えっ?でもそれじゃ…」
「あんたの声を聞いたら余計寂しいだの何だのってゴネるに決まってるんだから、丁度良いでしょう♪」
「で、でも…」
「雅紀、ちょっと頼み事があるんだけど」
渋る僕を無視して、早速相葉ちゃんに話をしてしまうニノ
「ちょっと待ってったらぁ///」
いくら何でもソレは無しだろうと思って
僕はニノに話を止めさせようと、ニノの携帯電話に手を伸ばした
.