第26章 そうだ、京都へ行こう。の巻
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「もぅ、たぁちゃんまでぇ///」
困り果ててたぁちゃんに文句を言ったら、僕を見てたぁちゃんがクスクス笑った
「まあ、諦めるんじゃな、こやつはわしによう似て頑固じゃからの
一度こうなってしまったら、絶対に言うことを曲げないのじゃ(笑)」
「そんなぁ////」
「……後で、ちゃんと俺が櫻井さんに言うから」
困って項垂れる僕の腕に、ムニュっと抱き付いて
ニノがまた思い切り上目遣いをした
「ちゃんと言うって言ったって…」
「…もう、二度とこんな我が儘言わないから…一回だけで良いから…俺の我が儘に付き合って下さい///」
うるうると子犬みたいに瞳を潤ませて僕を見つめるニノ
(……仕方ないなぁ////)
僕はちょっとため息を付くと、僕の腕に絡みついたニノの手を握った
「………ちゃんと、納得させてよ?翔くん」
「じゃあ…!!///」
「…行くよ。可愛いニノにこんなにお願いされたら、ダメなんて言えないもん///」
「やっっ……たぁああ♪♪」
「……(笑)」
僕の腕に絡みついたままピョンピョン飛び跳ねるニノ
(でも、絶対に翔くんを納得させるコトなんて出来ないだろうけどさ(苦笑))
急に今日から行くなんて知ったら…
(……翔くん、本気で正気を失うかも(汗))
さっきだってあんなにパニクってたのに、こんな急な話しを聞いて正常で居れる訳がない
「お車のご用意が出来ました」
どんだけ大変なコトになってしまうだろうとか思っていたら
さっきの使用人の男の子が戻ってきて、恭しく頭を下げた
「うむ、ご苦労さん」
「車来たって!大野くん行こう♪」
使用人の男の子に労いの声を掛けるたぁちゃんの隣で、ニノがウキウキした明るい声を出した
「う、うん…」
「いざ、嵐山へ♪♪」(←旅館は嵐山にあるらしい)
「………翔くん、ごめんね(汗)」
僕は、ニノに腕を引っ張られて車まで連行されながら
小さな声で呟いた
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──丁度その頃・in 翔くんのオフィス
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「ぶぇっっくしょおんッ!!」
「なんや櫻井くん派手なクシャミしよってからに!!風邪か!?」
「悪寒がする……何だか激しく嫌な予感がする……(汗)」
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………予感、的中っすよ、翔くん(笑)
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