第26章 そうだ、京都へ行こう。の巻
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「はぁ?お金を貸して欲しい?
何に使うんですか?」
「だから、僕が借りるんじゃないんだって」
僕は、これ以上無理って程に眉間にしわを寄せたニノを、下から伺い見た
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今日は、例によってたぁちゃんちでのお茶会の日
んで、今まさにたぁちゃんちでお茶をしている最中なんだけど
僕は、先日(翔くん経由で)村上さんから頼まれた件を、早速ニノに話した
でも、いきなり
「お金を貸してくれるよう頼んでくれとお願いされた」
なんて言われたニノは、思いっきり難色を示した
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「じゃあ、誰に貸せってんです?」
「村上さんだよ。
ほら、翔くんの会社の同僚の…」
「あぁ、彼女風の彼氏がいる彼ね」
「彼女風の彼氏?なに、ソレ??」
「いや、何でもないです(笑)」
首を傾げる僕を見て笑うと、ニノが言った
「アレですか、もしかして……恋人の体の工事費用っすか?」
「工事費用って(苦笑)」
「違うんですか?」
「違わないけどさ、言い方が(汗)」
もうちょっと違う言い方は出来ないのかと、ブツブツ言う僕を見ながらお茶をすすると
ニノが何だかしたり顔で頷いた
「そうですか…
…じゃあ、プロポーズは上手く行ったんですね」
「え?プロポーズって…何で村上さんと裕子さんが結婚する予定なの知ってるの?」
「前に、旅行行ったすぐ後くらいにLotusに来たんですよ村上ちゃんが
何だか相談したいコトがあるとか言って」
「相談?」
「まあ、だから、結婚したいから彼女に工事を勧めたいんだけど、どうすりゃ良いんだとか、そんなコトですよ(笑)」
「へぇ、そうだったんだぁ///」
「幾らくらい入り用なんじゃ?」
僕らの話を、呑気な顔でお茶を飲みながら聞いていたたぁちゃんが、急に口を挟んで来た
「祖父ちゃんはいきなり話にカットインしないでくださいよ!」
「ええじゃないか!たぁちゃんも混ぜてなのじゃっ!!」
何故か小競り合いを始めるニノとたぁちゃん
僕は、そんな二人を見て笑いながら言った
「翔くんが話を聞いた時は金額は言ってなかったんだけど、後で確認したら200万くらいだって言ってたよ?」
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