第26章 そうだ、京都へ行こう。の巻
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「はぁ、結婚ね」
「ちゃんと籍も入れよう思うとる
その為には、裕子ちゃんが外見も完璧な女になる必要があんねん……そんで…」
「あぁ〜なる程ね、その手術費用って訳か」
腕組みして唸る俺を見て、村上がゆっくりと頷いた
「櫻井くん友達やろ?二ノくん、大財閥の御曹司やんか?
…櫻井くんから、お願いしてみてくれへんやろか」
真剣にお願いする村上を見て、同じ様に真面目な顔をすると
俺は組んでいた手を解いて膝の上に乗せて言った
「いや、話をするだけならしてやっても構わないけどさ…
…貸してくれないと思うぜ?」
「何でや!金持ちやん!!」
「確かに実家はバカみたいに金持ちだし、あいつ自身も金持ちだけど
…ムチャクチャけちだぞ、二ノ」
「は?」
真剣な顔で友人をけち呼ばわりする俺を、ぽかんとした顔で見る村上
俺は更に続けて言った
「旅行の最終日だってさ、出掛けなかった智くんに気を利かせて二ノがお土産買って来てくれたんだけど
ちゃっかり俺宛てに請求書が入っててさ
後日、しっかり徴収されたもんな(苦笑)」
「……マジか?(汗)」
「マジだ」
真面目な顔で頷く俺を見て、益々ぽかん顔になる村上
「だからさ、他当たったほうが良いと思うぜ?」
「………ほんだら、智くんに頼んで貰えばええんちゃうやろか?」
「はい?」
今の話しを聞いてどうしてそんな結論が出たのかと首を捻る俺に、村上が詰め寄った
「けちなのに、智くんにわざわざお土産買うてきてあげたんやろ?二ノくん
二ノくんはアレやな、智くんのコトが大好きやんな!!」
「ま、まあ……そりゃ……」
(俺が我を忘れるくらい、大好きらしいけど…)
「じゃあ、智くんのお願いなら聞いてくれるんちゃうかっ!?」
「いや、そりゃあ…」
(確かに、二ノが智くんのお願いを断ってるとこ見たことないけど…)
「頼む櫻井くん!二ノくんに、俺に金借したってて、智くんからお願いしてくれるよう、お願いしてぇや!!」
困惑する俺の目の前で
村上が派手な音を立てて手を合わせた
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