第26章 そうだ、京都へ行こう。の巻
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「んん〜♡智くんたら、朝っぱらから可愛いんだから♡」
「ええ〜?翔くんはぁ、朝からかっこいぃよ♡」
「んんーっ!さとちぃ♡」
朝っぱらからデレデレな顔で、愛しのまいすうぃーと嫁の手をムニッと握り締める俺
智くんはそんな俺を見てニコニコ笑いながら、空いている方の手でレンゲを掴んだ
「しょおたん、残りのお粥、僕があ〜んしたげよっか?///」
「やったぁ♪してして!!///…あ〜ん♡」
「うふふ……はい、あ〜ん♡」
ぱくっ
「んん〜っ!おぃちぃ♡…智くん、もっとあ〜ん!!///」
「うふふふ……はぁぃ、あぁ〜ん♡////」
「あぁ〜〜〜ん♡」
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それから
智くんの愛情たっぷり入りのお粥を
智くんにあ〜んしてもらってイチャイチャしながら食べ、そのお陰で二日酔いが軽減した俺は
二日酔いの薬を飲んで、まだ若干痛む頭をさすりながら会社へ向かった
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「…おはよ〜」
「あぁ、櫻井くんおはようさん……って、なんや顔色が悪いな、自分」
まだ全快とまで行かなかった俺の顔を見て、村上が眉を寄せた
「あ〜……ちょっとな(苦笑)」
「アレか、二日酔いとかか?」
「はは……解る?(苦笑)」
「解るわ。若干酒臭いで(笑)」
「マジかよ(汗)」
自分では全く解らなかったが、やはり昨日のテキーラが残っているのだろう
俺は焦って自分の体をクンクンした
「いや、だから若干やて(笑)」
「ん〜……朝風呂に入ってくりゃ良かったなぁ」
「時間無かったんかいな?」
「うん……気持ち悪くて、何時もより遅く起きたから(苦笑)」
「こほんッ……時に、櫻井くん」
情けなくて苦笑いしながら自分の席に着くと、村上が急に改まって咳払いをした
「ん?何だよ?」
「お前アレやな、二ノくんと友達やな?」
「うん、まあ……ソレが?」
「あんな……ちょっと、頼み事があんねん」
「二ノに?」
村上は、至極真面目な顔をして頷くと言った
「実は……金借りたいねん」
「金ぇ?…なんでまた…」
突拍子も無い話に目を剥く俺に、村上が真剣な面持ちで答えた
「実は俺、裕子ちゃんと結婚しようと思うてんねん」
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