第25章 三度目の誕生日(&教授と僕)、の巻
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杉「………そうですねぇ」
教授はそう言うと、読みかけていた本を机に置き
手のひらを組んで机の上に下ろし、真面目な顔をした
杉「あるには、ありますが、かなり無理な、お願いですよ?」
智「大丈夫です!僕、何でもします!言って下さい!!///」
杉「では
私の、恋人になって下さい」
智「……………………え」
思い掛けないコトを言われて固まる僕を見て
教授がまた柔らかく笑う
杉「だから、かなり無理なお願いだと、言ったでしょう?」
智「…………そんなコトで、良いんですか?///」
杉「はぃ?」
僕は、ちょっと間の抜けた声を出す教授を真っ直ぐに見つめて言った
智「そんなの、そんなコトで恩返しになるとは思わないけど
そんなコトで良ければ何時でも貴方の恋人になります
……だって、僕……
………
………貴方が、好きだから/////」
杉「………智君」
智「///////」
教授に下の名前を呼ばれて、体の熱が一気に上昇する
僕は恥ずかしくて、真っ赤になった顔を伏せた
杉「…………」
教授が立ち上がり、僕に近付く気配がする
それでも僕は、顔を上げることが出来なかった
杉「……君は、男性と性交渉をしたことが、ありますか?」
智「えっ!?/////」
またもや思い掛けないコトを言われて驚いて顔を上げると、目の前には何時より真面目な教授の顔があった
智「…………………なぃ、です/////」
僕は咄嗟に嘘を付いた
本当は、高校の卒業前……
……教授と出会ったすぐ後
僕は同級生の、仄かに恋心を寄せていた人に
無理やり犯され、初めての経験を奪われていた
だけどソレは
僕らの中で無かったことにした事実
だから僕は、教授の質問にNOと答えたのだ
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