第25章 三度目の誕生日(&教授と僕)、の巻
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教授は
特別お金を払ったり何かしたりするコトは無いって言ってくれたんだけど
そんな、只で居候なんか出来ないから
僕は、教授に生活の面倒を見てもらう代わりに
家のこと全部と、教授の身の回りのお世話をする事にした
最初はそんなコトしなくて良いって言っていた教授も
それで僕の気が済むならと、僕の好きにさせてくれた
オマケに
幾つもある部屋の一つを、僕のアトリエにしてくれて
何時でも自由に使って良いと言ってくれた
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(……こんなに良くしてもらってるのに、掃除やら炊事やらだけじゃ、申し訳無いよなぁ……)
僕は、広い屋敷をお掃除しながら溜め息を付いた
大学に通い出した僕は、益々教授に対して申し訳無い気持ちが膨らんでいた
何の縁もゆかりもない僕を、こうやって住まわしてくれて
しかも生活費は元より、学費までも面倒みてくれている教授
僕は、なんとかその恩に報いる方法はないかと頭を悩ませていた
智「…………とりあえず、お屋敷をピカピカにしよう!」
僕は気合いを入れ直して掃除の続きに精を出した
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一通り掃除を済ませた僕は、教授の居る書斎へ向かった
──コンコン
杉「はい」
書斎の戸をノックすると、教授が涼やかな声で返事をした
智「教授、失礼します……良いですか」
杉「ええ、どうぞ」
僕は、書斎の戸を開けて中に入った
僕が部屋にはいると
教授は手に持っていた本から視線をあげて僕を見て、にっこりと笑った
杉「お掃除は、済んだのですか?」
智「はい。………それであの」
杉「なんです?」
相変わらず優しい笑顔の教授
僕は握った手にグッと力を入れて言った
智「僕、やっぱりこんなんじゃ申し訳なくって………他に僕に出きることは、僕にして欲しいことは無いですかっ!?」
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