第25章 三度目の誕生日(&教授と僕)、の巻
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杉「大野君、少しは、落ち着きましたか?」
智「………はぃ////」
僕は、自分を抱き締める、教授の優しい腕にキュッと抱き付いて頷いた
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親類に縁がなく、他に頼れる人が居なかった僕は
母が亡くなってどうしたら良いのか解らず
教授に連絡をした
教授は僕の連絡を受けるとすぐに飛んできてくれて
泣きじゃくり震える僕を、優しく抱き締めてくれた
それから、僕が落ち着くまで
何も言わずに
ただ、優しく抱き締めていてくれた
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漸く涙が一段落した僕は
泣き腫らした顔を上げて教授を見た
智「……教授……///」
杉「あぁ、可哀想に……こんなに目が腫れてしまって……」
教授は泣き腫らした僕の顔を見ると、眉を八の字に下げて悲しそうに言った
ソレを見て、また泣きそうになった僕は、顔を教授の胸に押しつけて涙を誤魔化した
智「……教授……僕……僕、コレからどうすれば良いの……///」
杉「大丈夫、心配は要りませんよ……私に、任せて下さい」
智「………教授////」
教授は僕をあやすように、抱き締めた僕の体をゆっくりと揺らしながら言った
杉「私のお屋敷に、いらっしゃい
私も丁度
しがない独り身の一人暮らしには、あの屋敷は大きすぎると思っていた所ですから」
智「………教授のお屋敷で……一緒に住むの?///」
杉「お嫌ですか?」
智「………嫌じゃない、です///」
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こうして、頼れる人の居なかった僕は
教授のお屋敷でお世話になることになった
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