第25章 三度目の誕生日(&教授と僕)、の巻
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(“二人だけ”なんて、いったい何人と付き合ったコトがあんだろ、翔くん……聞きたくないけどさ///)
僕がふて腐って黙り込んでいると
翔くんが焦った様に言った
「うぅ……ま、まあ、数は兎も角、だ
外見と中身のギャップで、長続きした試しはあんまないんだけどね(苦笑)」(←付き合って一年足らずで“なんか残念”とか言ってフられていた人(笑))
「…………」
(そのギャップが可愛いのになぁ)
僕は、何だか情けない顔で僕を見ている翔くんを見て思った
(みんな、翔くんの本当の良さが解ってないんだな……てか、解って欲しくないけど……僕だけの翔くんだから///)
「智くん、あの…」
翔くんは、僕が黙り込んでいたから何だか心配になったらしい
益々情けない顔になってしまった
(………可愛い///)
僕は胸に愛おしさが沸き上がるのを感じながら言った
「……僕は、付き合ったコトがあるのは、教授と潤くんだけだよ」
「え?あ、あそうなんだ…」
「うん、そう」
「1人と長く付き合ってたんだよね?」
「うん。二人共、四年くらい付き合ってた」
「よ、四年…もう一息でオリンピックが二回…」
おかしな例えでよろめく翔くん
…やっぱり、かわいぃ(笑)
「……でも、なんか懐かしいなぁ……僕、教授と付き合い始めた頃は、まだ十代だったもんなぁ……」
ソレを聞いて、翔くんがちょっと目を見張って言った
「え?……そう言えば智くんと教授って、何時からつき合ってたの?」
「僕が大学生になってから、割とすぐだよ……
……教授のお屋敷で暮らすようになってから、半年位経ってからだったかなぁ」
「へぇ〜」
翔くんは、何故だか妙に感心した様な顔で唸った
僕はそんな翔くんをぼんやりと見詰めながら
教授と出逢った時のことを思い出していた
(……教授と出逢ってから、もう、14年位経つのか……)
ソレは、もう、一昔前の話し
僕はまだ子供で
大人の恋を知らずにいた
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そんな僕に
大人の恋愛を教えてくれたのが
教授だった
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