第25章 三度目の誕生日(&教授と僕)、の巻
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そう言って、幸せそうに笑う智くん
本当に…幸せそうだ
「そっか、良かった……俺は智くんの、そんな幸せそうな笑顔が見れて、幸せだよ」
「ふふ……うふふ////」
俺の腕に絡み付いて、マキシマム可愛いらしく笑う智くん
真っ昼間なのに、早速落ち着かない気持ちになる俺
(あ〜……旅先ってどうしてこう……エッチな気持ちになり勝ちなんだろうなぁ……)
「やっぱ、開放感的なコトじゃない?」
「…………」(←もう何も言うまい(笑))
「ねぇ、そろそろチェックインの時間じゃない?」
「あ、そうだね……行こうか」
「うん♪」
俺たちは腕を組んだまま車へ戻って、宿へと向かった
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「すみません、今日一泊で予約してる櫻井ですけど」
「いらっしゃいませ、櫻井様
二年ぶりですね、お元気そうで」
宿へ行ってチェックインの為にフロントへ行くと
前回と同じ仲居さんが出迎えてくれた
どうやら、翔くんの言う通り僕らの事を覚えていてくれたようだ
「こんにちわ。お世話になります」
「あら、奥様もお元気そうで、相変わらず可愛いですわねぇ」
「えへへ、ありがとう御座います///」
「……確かに、僕の妻なんすけどね」
相変わらず僕を女の人だと勘違いしているらしい仲居さんの様子を見て
翔くんが言った
「智くんは、女性では無いんですよ」
「!……翔くん///」
ニコニコ笑いながら、仲居さんに僕が女性ではないとハッキリ告げる翔くん
と
仲居さんから意外な返事が返って来た
「えぇ、存じておりましたけど」
「「えっ?」」
驚いて翔くんと二人で顔を見合わせてから、再び仲居さんを見ると
仲居さんがのんびりした口調で言った
「ほら、ニューハーフの方は女性として扱って差し上げた方が良いのかと思ったものですから、ねぇ」(←ニューハーフて(笑))
「「え゙」」
再び翔くんと顔を見合わせる
「「………」」
「さ、お部屋へご案内致します」
仲居さんは、微妙な顔で見つめ合う僕らの様子を一向に気に止めることもなく
にこやかに笑いながら、僕らの荷物を手に持ち、部屋へ向かって歩き出した
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