第25章 三度目の誕生日(&教授と僕)、の巻
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「きゃーーっ!うみぃいいーーーっ!!////」
「いや、だから智くん浜辺を爆走したら危な……Σんだっ(汗)」
──ドタッ
「危ないんだよぅ、翔くん♪」
「…………ですね(泣)」(←三回目(笑))
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本日は智くんのお誕生日の前日
言わば、俺と智くんの結婚式記念日
そんで
俺たちは今、二人で初めて旅行をした思い出の場所へ来ていた
実は
初ガチ喧嘩をした後
智くんが、誕生日に、初めて二人で旅行した海岸へ行きたいと言い出したのだ
当然
俺は愛しい妻の為に、急遽、宿の手配をしたのだが
連休ってコトもあり、宿がいっぱいで
本当は土曜日辺りから二泊したかったんだけど
仕方無く、たまたまキャンセルで開いた今日の一泊で、この思い出の地に旅行に来ていたのだ
そんでもって
前回同様、ちょっと早めに来て、宿の近くの海岸で遊んでいる訳
あ、因みに
宿も、智くんのリクエストで前回と同じ所です(笑)
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「てかさぁ、あの仲居さん僕らのコト覚えてるかなぁ?」
智くんが、俺のケツの砂を払い落としながら言った
「覚えてるでしょう。それが仕事だからね」
「そっかなぁ……僕のコト、まだ女の人だと思ってるかなぁ?」
「思ってるよ、きっと」
俺がそう言うと、智くんはちょっと悪戯っぽくクスクス笑った
「じゃあ僕、女装してくれば良かったかな?(笑)」
「いや、俺の鼻血祭りが再来すると困るからよして」
「鼻血祭りぃ?あははは(笑)」
楽しそうに笑う智くん
その笑顔は、旅行へ来た高揚感で何時もより弾けてはいたけれど
無理にはしゃいでいる感じは微塵も無かった
(……今思えば、やっぱり前回ココに来た時は、ちょっと無理にはしゃいでたのかも知れないなぁ)
「……意識してた訳じゃないけど、そうかもね」
「………」(←また独り言を…と、思っている)
「ずっと、後ろめたい気持ちはあったよ………潤くんに対しても、翔くんに対しても」
智くんは俺のケツの砂をすっかり綺麗に払い落とすと
俺の腕に絡み付いてピッタリと寄り添った
「だけど今は、そんなの少しも感じてないよ……今は、単純に楽しくて…
……幸せな気持ちで、いっぱいだよ」
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