第24章 初ガチ喧嘩、の巻

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「思い遣りと……気遣い？」

「ん〜……気遣いって言うとまた何だか違う気がするけど(笑)」

「………」


俺はニコニコ笑いながら俺の頭を撫でる智くんの手を握って、むくっと起き上がった


「……気、使ってんのかな、俺」

「使ってるよ」

「智くんも？」

「うん」

「……そうかな」

「……時々さ」


智くんは、起き上がった俺の胸に、甘えて抱き付いた


「……何だか、腫れ物にでも触るみたいに……凄くこう……遠慮してるって言うか……

……気を使われてるなぁって、思う」

「………」

「そんで、言いたいこと言わないで……ずっと、僕のコト信用してくれないでしょ？」

「それは…」

「……正直に言えばね？」


智くんは、言いながら自分の手を握る俺の手を、むにむにと弄った


「嫉妬されるのが嫌な訳でもないんだ……ちょっと、嬉しかったりするし///」

「智くん…///」

「でもさ、信じて欲しいんだ…」


智くんは、小さく息を吐き出して少し間を置くと

真っ直ぐに俺の目を見詰めた


「僕が、この世で愛してる人は翔くんだけだよ

この先もずっと……貴方だけを愛してる」

「………さっきね、気を失ってる時ね……ぼんやり思い出してたんだ」

「何を？」

「……前にさ、智くんに“将来の夢は？”なんて訊いた時のコト」

「……ずっと、翔くんと一緒に居たいって、ずっと一緒に居ようねって約束した時のコト？」

「うん」


俺は、ゆらゆらと揺れる智くんの涙目を見つめ返した


「……俺さ、本当は……不安なのかも知れない」

「……不安？」

「……うん……」


俺は小さく頷くと、智くんをギュッと抱き締めて

胸の奥でくすぶり続けていた、誰にも明かしていない秘密を告白した


「……俺は、君を松本くんから奪って手に入れた……

……だから、今度は逆に、誰かに奪われてしまうんじゃないかって、不安なんだ」

「………」


智くんが俺の腕の中で顔を上げてじっと俺を見ている

だけど、俺は智くんの顔をマトモに見る事が出来なくて

智くんの柔らかな首筋に顔を埋めた


「……じゃあ、僕も正直に言うよ」

「……え？」


暫くの沈黙の後

智くんが静かに口を開いた


「僕は、潤くんを愛してる……今でも」


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