第24章 初ガチ喧嘩、の巻
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本日は、智くんがお茶会へ行く日
外回りの合間に公園で智くんの愛妻弁当を平らげた俺は、次の仕事先に向かっていた
「ん?…あれは…」
今頃智くんは、二ノのお爺さんの家でお茶してる頃かなぁ
なんて思いながらビジネス街を抜けて行くと
ふと、以前取材した会員制の高級レストランが目に入った
(そう言やぁアソコに取材の確認に行った時はヒドいコトになったんだよな、俺)
その時俺は
自分が病気だと勘違いして、智くんを二度と抱けないかもなんて思っていた
そんな最中
偶然会ったと言う智くんと松本くんが、この高級レストランで一緒にブランチしていたトコを目撃してしまったのだ
結果
智くんが浮気したんじゃないかと思った俺は
見るに耐えない状態になってしまったのだった
(いやぁ、あの店から智くんと松本くんが出てきた時は、本気でこの世の終わりが来たと…………え?)
その時のコトを思い出してあん時ゃヒドかったなんて思ってたら
何故かそのレストランから智くんが二ノに引っ張られる様にして出てきた
「あれっ?智くん??」
「「えっ!?」」
デジャヴの様な光景に、幻覚なんじゃないかと目を擦る
「翔くんっ!///」
「撫で旦那!」
「……何だよ、撫で旦那って」
何だか慌てた様子の智くんと二ノ
と、何処かで聞いたことのある男前な声が…
「お〜い、智、忘れ物だぞ!」
「「えぇっ!?」」
更に焦ったような声を出す智くんと二ノ
2人の視線を辿って振り向くと、ソコには見覚えのある濃いぃ男前の姿が…
「………あ。」
「Σあぁっ!?」
俺は、度重なるデジャヴな出来事に完全パニクって叫んだ
「んまっ……まままつ、まっつんっ!!?」
「……よう、櫻井君、久しぶり」
松本くんは、未だかつて無い呼び方にも動じるコト無く、軽く会釈をしながら片手を掲げた
その手には、智くんの可愛いポシェット……じゃなくて、ウエストポーチが握られている
「あららら………ら。」
半笑いしながら俺と松本くんの顔を見る二ノ
智くんは「しまった」って顔して固まっている
「………嘘だ………嘘だと言って……(泣)」
何時か見たのと同じ様な光景に
俺は
何時と同じ様に、遠くで鐘の音が鳴ったのが聞こえた気がしていた
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