第24章 初ガチ喧嘩、の巻
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「いや、本当に
お前らはいつ見ても仲が良さそうだな(笑)」
「バカ言うんじゃないよ!」
クスクス笑う潤くんに、二ノが怒りながら言った
「仲が良さそうなんじゃなくて、俺と大野くんはメチャクチャ仲が良いんです!」
「……わざわざ否定して言い直すコトか?」
「コトです!ねぇ、大野くん♪」
「だもんねぇ♡」
「……んだよ、智まで……あ、スミマセン!今日のお勧めランチ頼むわ」
「畏まりました」
潤くんは苦笑いしながら、通りかかったウエイターさんに注文した
それから、両肘をテーブルに乗せると、またニッコリ笑って僕を見た
「ま、幸せそうでなによりだけどさ……なんか、悩み事があるんだろ?」
「え?………ん〜………ぅん///」
僕はちょっと顎を引いて上目遣いすると、潤くんを見た
「悩み事って程のことじゃ無いんだけどさ
お誕生日に行きたいトコが思い付かなくて…」
「……そうか、もうじきだもんな……
……11月26日」
潤くんは僕を見たまま、少し寂しそうに笑うと視線を落とした
「……去年のその日程、寂しい日は無かったな」
「………潤くん///」
「……ずっと、一緒だったからな……その日だけは、何が何でも仕事を一切合切キャンセルして……お前と過ごしてた
……ずっと、何年も、ずっと……」
「………」
「じごーじとくでしょうが!!」
シンミリしかかった空気を破るように、二ノが潤くんをジロリと睨んだ
「アンタね、それ以前にこの人がどんだけ寂しい思いをしてたと思ってんですか!
自業自得!てか、天罰っすよ、天罰!!」
「ちょっと二ノ!言い過ぎだって///」
「いや、二ノの言う通りだな」
潤くんは、哀しげに微笑みながら
そっと僕の頬に触れた
「……神様がくれた奇跡のようなお前を蔑ろにして、悲しませた罰だ……
……だから、俺は一生お前を想って、叶わぬ想いに焦がれて生きていくんだよ、智……」
「……潤、くん////」
「だーっ!!(怒)」
見つめ合う僕と潤くんを見て、二ノが椅子を蹴倒す勢い立ち上がった
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