第4章 息が出来ないほど
「…なぁオマエら。」
ポツリと俺が問いかけると、茶化す声は止みしんと静まり返った。
俺はベッドから降り、ベッドに右手を付き左脚を軸にして立つと頭を下げた。
「あの時傷付けて本当に悪かった。」
「……マイキー……。」
「俺はもう自分自身が分からなくなりかけてた。オマエらを巻き込まない為に傷付けて、嫌われて決別しようとした。…バカだよな。」
自嘲気味に笑うと、ケンチンが口を開いた。
「バカなのはお互い様だ。気付いてやれなくて悪かった。マイキー、テメェも必死だったんだよな。」
「あれから皆自分の道見つけて歩いてってる。マイキーのおかげだよ。なぁ皆。」
三ツ谷が言うと、ぺー、千冬、八戒が頷いた。
「…全部さ、さくらが導いてくれたんだ。死のうとした俺を止めて、叱って、受け容れて、癒してくれた。じゃなきゃ今オマエらに謝る機会さえなかった。」
「あぁ、さくらちゃんにはちゃんと伝えるよ。」
「さくらさんと俺ら、高校近いんすけど…やっぱモテてて。でも待ってる人がいるからっていつも断ってたみたいす。」
「帰り道会えば、いつも俺らの事気にかけてくれて。たまにファミレス行ったりして。姉貴みたいな存在です。」
「そうか…俺だけじゃなく皆に好かれてるんだな、アイツは。」
「当たり前だ、昔っから変わんねぇよ。」