• テキストサイズ

cry with happiness ※完結

第4章 息が出来ないほど



「…なぁオマエら。」

ポツリと俺が問いかけると、茶化す声は止みしんと静まり返った。
俺はベッドから降り、ベッドに右手を付き左脚を軸にして立つと頭を下げた。

「あの時傷付けて本当に悪かった。」

「……マイキー……。」

「俺はもう自分自身が分からなくなりかけてた。オマエらを巻き込まない為に傷付けて、嫌われて決別しようとした。…バカだよな。」

自嘲気味に笑うと、ケンチンが口を開いた。

「バカなのはお互い様だ。気付いてやれなくて悪かった。マイキー、テメェも必死だったんだよな。」

「あれから皆自分の道見つけて歩いてってる。マイキーのおかげだよ。なぁ皆。」

三ツ谷が言うと、ぺー、千冬、八戒が頷いた。

「…全部さ、さくらが導いてくれたんだ。死のうとした俺を止めて、叱って、受け容れて、癒してくれた。じゃなきゃ今オマエらに謝る機会さえなかった。」


「あぁ、さくらちゃんにはちゃんと伝えるよ。」

「さくらさんと俺ら、高校近いんすけど…やっぱモテてて。でも待ってる人がいるからっていつも断ってたみたいす。」

「帰り道会えば、いつも俺らの事気にかけてくれて。たまにファミレス行ったりして。姉貴みたいな存在です。」


「そうか…俺だけじゃなく皆に好かれてるんだな、アイツは。」

「当たり前だ、昔っから変わんねぇよ。」




/ 55ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp