第4章 息が出来ないほど
翌日、昼食を食べて微睡んでいるとケンチンや三ツ谷達主要メンバーがゾロゾロ見舞いにやって来た。
「うーす。見舞いに来たぞー。」
「おー、酷っでぇ顔だなマイキー。」
「あ、ドラケン達来たよ!起きて万次郎。」
ゆさゆさと身体を揺すられ目を開けると、ケンチン達がベッドの周りに立っていた。
「んー…オメェら柄悪ぃよ。患者がビビんぞ?」
「テメェも患者だろ?」
「うっせーなぁ。ケンチンは。」
「さくらちゃん、これ差し入れ。良かったら食べて。」
そう言って三ツ谷が小箱を差し出した。
「うわぁ、見てもいい?」
「いいよー。」
「あっ、フルーツタルトだ!私ここの好きなんだよね。好きだって言った事あるっけ?」
「ん、マイキーから聞いてな。さくらちゃんの好みなら大体俺ら分かってっから。」
「だな。」
「おい、俺のはねぇの?」
「あ、マイキー君のはコレっす。」
千冬が差し出したのは、どら焼きとたい焼きだった。
「…なんか格差凄くね?」
「皆ありがとね。私、食堂で食べて来るからゆっくりしてってね?」
「あー、別にいいのに。」
「男同士の話もあるでしょ?じゃ!」
そう言うと、彼女はタルトが入った白い小箱を抱え皆に手を振り病室を出て行った。
「…本当に良い子だよなぁ。」
「さくらちゃんな、東卍の皆惚れた事あるんじゃね?」
「ドラケン以外なー。」
「なんだよ、んな事言う為に見舞いに来たのかよ?」
俺は面白くなくてふいとそっぽを向いた。
そんな俺を見て皆が呆れて笑っている。