第3章 瞳に映るは
俺を殴り続ける鈍い音が溜まり場に鳴り響く。
その場に居た関東卍會のメンバーの少数はあまりの春千夜の暴走ぶりに引き、帰ってしまっている。
「マイキー、どうだ?ひたすらに手ぇ出せねぇ気分は!オマエはこうやって頂点に登りつめてきた!それを女の為に手放すとは頭イカレてんのか?」
「イカレてんのはテメェ…だろ。」
「ちっとは状況理解しろや。」
「…っつ…。」
バキッと何度目か分からない殴打を受ける。切れた口内の血を吐き出した。
頭がクラクラして来るが、彼女が解放されるまで気を失う訳には行かなかった。
「…九井、疲れたからテメェが面白ぇ事しろや。まだ空元気あるみたいだしな。それ終わったら武器で詰めるわ。じっくりいたぶらねぇとな。」
「マイキー、見とけ。今からオマエの女の具合見てやるよ。」
「あ!?」
ボヤけた視界には、彼女が九井に地面に押し付けられ、バックの状態で腰を上げ下着を降ろされている所が映った。
「嫌!!!何するの?やめて!!」
「んー?何って…セックス。昨日マイキーとヤってんだから分かんだろ?」
「九井テメェ、止めろ!!話が違ぇ!!」
「笑えるわ、スッゲェ焦ってんじゃん。でもよ、先にオレらを裏切ったのはオマエだマイキー。」
駆け出そうとした瞬間。
「大人しく見てろよ。」
春千夜の声と共に、右太腿にドスが刺った。
痛みが走ったが貫通はしておらず、オレはドスを引き抜いて叩き折った。
その隙に九井はカチャカチャとベルトを外し、手に唾を吐き彼女のソコに塗り付けると、ズブリと挿入した。
「は……………?」
「あー…めっちゃキツい。ボスー、最高のオンナだなぁ!!」
「痛い…!やめて、やめてよ!うぅっ…!」
「うっせー。黙って犯られてろ。テメェも殺すぞ。」
そう言って下衆な笑みを浮かべながら、九井は優しさの欠片も無い乱暴な腰使いでガンガン犯し始めた。
視界がグラグラ揺らいでいく。頭の中には中一の時付き合い始めてから、初めて手を繋いだ事、初体験をした事、色んな場所にバブで連れてった事、別れを告げた事、昨日死ぬのを止めてくれた事、そしてあの向日葵のような笑顔が走馬灯のように流れた。
「殺す…。」
「あ!?もう一回刺すぞコラ。」
「殺す。」