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『どっちも好きだから』【不破雷蔵VSはちや三郎】(短編)

第1章 どっちも好きだけどどうしたら良いか分からない


分かってます。2人が私を好きな事は分かっています。だけど、
私はこの状況をどうしたら良いの?!
「あの…2人が私を好きだと言ってくれる理由が…」
「分からないの?私と雷蔵が椿姫を好きな理由が?」
「…はい。」
私の返答に2人はガクっと肩を落としてズッコケていた。
「噂通りの天然ぶりだな…」
「う~んと…分かり易く言えば、全部かな?」
私を『天然』という三郎君と『全部の私が好き』という雷蔵君。
2人は少し困惑した表情を浮かべながら私を見つめて言った。
「私は、椿姫の天然ぶりも好きだし、優しい所も好きだ」
「僕も同じ。」
「‥‥えぇ?!」
「だから、僕と三郎は2人で君を守ろうって最初は言った。」
「あ…はぁ…。」
「だけど、欲が出てしまってね。私も雷蔵も。」
「欲‥‥ですか??」
「うん。」
「「二人のどちらかが君と恋仲になる為に勝負する事」」
2人は平然と笑みを浮かべて私にそう告げて来た。
「へ‥?へぇぇぇぇ?!?!」
私は驚きのあまりに叫んでいた。
「僕は三郎に負けたくない。」
「私だって雷蔵に負けたくない。」
2人は私の前でそう張り合ってた。いつも仲良な2人しか知らない私は、アタフタしていた。
「それじゃあ、椿姫。一緒に出掛けようか。」
「え?」
「三郎と3人で一緒に、ね?」
私…2人の黒い何かに包まれているのが分かるのですが…。
2人は私の両方の手を握って、小松田さんの所へと半ば強制的に連れていかれて、外出届を出さざるを得なくなっていた。
そして、提出後…私は2人に拉致され…否、連れていかれた。
でも、3人で出掛けるのが久し振りだった気もして、悪い気持ちは無かった。2人からの愛情の深さを感じつつも私は茶屋までの道を歩いていた。そして、目的の茶屋に着くと、両隣に2人が私を挟むように座り込んだ。私の心臓は破裂しそうな位ドキドキして、その音が漏れそうな位鼓動は高鳴っていた。
でも、やっぱり3人でいる事が楽しくて、時間を忘れてしまう位だった。
「椿姫ちゃん。僕達の事嫌かな?」
「え‥あ~…嫌じゃないけど…そういう風に言われると…」
「私も雷蔵も椿姫に惚れ込んでる。今すぐには無理だよな」
分かってるなら言わないで頂きたい…。
「でも、今じゃなくても良いから。」
「「いつかはどちらか選んで欲しい」」
そう云う二人の目は本気だった。あぁ…私は当分頭悩まさなくちゃいけないんだ。
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