• テキストサイズ

イケメン王子1口サイズ小説集

第16章 ギルと一緒に異世界満喫してきた!(ギルベルト)


カァーカァーカァー

聞きなれない音で目が覚めた。朝といえばチュンチュンではなかったか。隣のギルはすやすやと寝息を立てている。私の方が早起きなど珍しいこともあるものだ。
空気を胸いっぱいに吸って吐き出した。今日はギルも私も休暇だ。天井をぼうっと見つめる。白くて虫食いされたような天井だ。ギルの部屋はこんな天井だっただろうか。

「……ん?」

おかしい。寒冷地のオブシディアンにしては温かい。というより蒸し焼きにされそうな暑さだ。
バッと飛び起きて窓の外を見ると、馬も御者も付けていない馬車が勝手に走っている。
ドクドクと高鳴っていく心臓の音を聞きながら外に出た。地面は見たことのない黒い石で埋め尽くされている。

「あの、すみません!」
「あなたパジャマでどうしたの?」
「これはちょっと……あの、ここってオブシディアンですか?」
「……? ここは日本よ?」
「に、にほん? じゃあ、今って何年ですか?」
「令和六年だけど……」
「そう……ですか……」

親切に答えてくれたおばさまは不思議そうな顔をして、朝ごはん食べなさいねーと言い、去っていった。
間違いない。ここは異世界だ。
/ 88ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp