第12章 You're my other half(シュヴァリエ)
ガチャリ。とドアを開けて入ってきたのは、逢いたくて仕方がなかったシュヴァリエ様だった。先程とは真逆の意味で心臓が早鐘を打ち、頼もしい胸に飛びついた。
「シュヴァリエ様……っ!もっと、遅くなるのかと思ってました……」
温かい腕が私の背中に回る。
「貴様がいない時間は耐えられないのでな。他の連中は明日帰って来るだろう。それで……?」
下からシュヴァリエ様の顔を覗き見ると、その視線はノクトへと注がれていた。
「何、王サマ。変なことはしてないけど。」
「道化、貴様はさっさと自分の部屋に戻れ。」
「はいはい。相変わらず優しいのはベルにだけね。」
ひらりとソファから立ち上がり、ノクトはドアに向かう。
「お役御免ってことで。よかったね、ベル。」
「うん。ありがとうノクト。」
笑顔で閉まったドアを見つめていると、名前を呼ばれ、唇を親指でそっと撫でられた。
「乾いていてな。満たしてくれるだろう?」
「もちろんです。私も……寂しかったですシュヴァリエ様。」
久しぶりの愛しい唇にかぶりついた。