第4章 小さな猛獣使い(クラヴィス)
欲張っている自覚はある。今の俺は弱みを握ったと言わんばかりの表情をしているのだろう。
ベルは数秒の間を置いて、両足でも抱き着いてくれた。
「クラヴィスさん、明日はお休みにしませんか?不安にさせてしまいましたから、その償いがしたいです。沢山尽くさせてください。」
そう言って俺の髪を撫でるベルの笑顔と温もりが、心に染み渡る。気づけば俺はだらしなく頬を緩ませて提案を快諾していた。
『愉快なプレゼント』を貰ったのは俺の方だ。そう思いながら力が抜けていく体をベルに任せ、俺は心地の良い微睡みの中に落ちていくのだった。