• テキストサイズ

夏の思い出

第1章 夏の思い出





「お前!酒弱くないだろッもっと飲め!」
「はー!?ミルコさんの方がジョッキの数少ないじゃないですか」

ジョッキの方を指差して数を数え出す。

「ジーンズの編み込みの様に仲良くなれないのか?」
「出た!ジーンズギャグ」
「冗談が過ぎますね…」

揶揄うように笑うミルコ。
少し不満そうな顔をするジーニストさん。
そのうるさい場を気にせず静かに日本酒を飲むエンデヴァーさん。

ヒーローでの親交を深めようと言う事でオレが提案した飲み会で何度開催したのか分からないくらいこの4人で飲む事が増えた。

その度に恒例となったミルコとどちらが早く潰れるかの勝負も、回数を重ねるに連れて段々と接戦まで持っていけている気がする…

これは、本当に気だけなのかもしれないけど。


「店員!ビール追加ッ!」
「すみません…もう無くて」
「じゃ、エンデヴァーのオッサンから日本酒貰うから良いよな!ホークス」
「ええ!オレも男なんで、潰れるまでヤメませんからッ」


そう言ったのは30分前。
バカみたいに酒を飲んだ事を後悔した。


「もう、飲めませぇーん」
「よっしゃ!私の勝ち!」


目の前に居るミルコが歪み机に右頬をつけて彼女の姿をみる。

「大丈夫か?ホークス」
「はぃっ!へーきでーすッ」

もう、自分がちゃんと座れているのか…そうでないのかすら分からない。
頭がぼーっとして、顔が熱い。
目の前に有る氷と水がいっぱい入った水が置かれて水滴がガラスの下に広がる。

「あ!ホークスお前、また新しい女と熱愛報道出てたよな?あれが本命?」
「…あー?…雑誌のですか?別に…付き合って無いですー。」
「何人居るんだよ…」

そう言われて少し考えて、

「5?…いや、8…うーん」
「お前…本当最低だな」
「そうですか?お互い割り切った一夏だけの関係なんで」
「はー…お前、いつか痛い目見るからな」

今日のオレはやけに饒舌だ。
ミルコの痛い目を見ると言う言葉にケラケラと笑ってしまう。


/ 31ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp