第2章 誘惑
サンダルを履いて玄関を開けると、宅配のお兄さんはインターホンで見ていたとおり、いつもの山下さんだ。
身長は185cmくらいで、水泳選手のように引き締まった体格。
会社の制服を内側から持ち上げるマッチョな筋肉と、健康的に焼けた肌。
半袖からむき出しになって汗で輝いている力強い腕と、すらりと長い脚。
顔は爽やかだけど凜々しくて、精力がにじみ出てくるような男臭いイケメン。
この人が、最近の私の妄想のお相手。
「こんにちは。こちらお荷物になります」
「いつもありがとうございます。…今日も暑いですね」
荷物を受け取るときに見える大きな手。
長い指と、ゴツゴツして骨張ってて血管の浮いている、うっとりするほど男らしい手。
この手で私の事をメチャクチャにしてほしい…。