第4章 唇
何度も唇をついばまれている内に、私はすっかりとろけさせられてしまった。
脚はガクガクと震えるし、彼に抱きついて必死にすがりついている。
彼も私の腰と肩に腕を回して痛いくらいきつく抱きしめてくれた。
唇を重ね合いながら、どちらからともなく舌を伸ばして絡め合う。
二人の荒い吐息に彼の汗のニオイもあわせて、興奮のあまり頭がクラクラしてきた。
「山下さん、私、もう、立ってられない…」
「…このまま、お邪魔します。いいですか?」
どうして、なんて聞かないけど、それに応えることはできない。
「…聞かないで…」
「はい」