第1章 4月
「三ツ谷はなんでいんの?」
「ルナマナが桜みたいっつってて。俺ん家の近くで桜見れるのなんてこの公園くらいだからさ。邪魔するつもりはなかったんだけど。悪かったな。」
「ふーん。まぁ今日はなっつんは俺とデートだから。」
会話はいたって普通の会話であるものの、私、ドラケン、エマには何となく火花が散っているように見えた。
私は、マイキーが眠るのを邪魔されて機嫌が悪いんだろうなって思った。
「えー?デート?マナともしよー!」
「ルナともー!」
マイキーの手はルナちゃんとマナちゃんに掴まれてしまった。
なんだかんだ言ってマイキーは女子供にやさしい。
怒っていたマイキーも、仕方ないといった表情で、2人と遊び始めた。
「マイキーの優しいところ、私好きだな。」
「ウチも!!」
そんなマイキーを見て私はふっと笑ってマイキーに駆け寄り右後ろの服の裾を掴んだ。
マネするように、エマも後を追ってくると、左後ろの服の裾を掴む。
現在モテモテ中のマイキーは顔を赤らめて前だけを向いている。
「~っ、なっつん、好きなんてそんな簡単に言ったらダメ。」
「好きなことは好きって言う主義なの。」
あー言えばこー言う。それが私です!
後ろに控える三ツ谷くんとドラケンはそれはそれは不服そうな表情をしていたということは、後々ルナちゃん、マナちゃんから聞かされた。