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◆イケ戦◆謙信様の執着がこわいです。◆

第1章 出会って三日







…どうやら私、タイムスリップしたらしい。


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――…気づけば燃え盛る本能寺で、
 織田信長を助けていた。


豊臣や明智の名が飛び交う中で、少々パニクってしまった私は、猛ダッシュでその場から逃げ出した。

逃走した私を 豊臣秀吉が殺し屋の顔で追っ掛けて来るもんで、真っ暗な藪の中へと入ってしまったじゃないか…

葉っぱや枝が顔にぶち当たるのを気にする余裕もなく、身を隠しながらひたすら必死に走った。
そして ――ドスッ! と人にぶつかったときは、 
『 …あ、おわった。』 そう思って気を失ったわ。


――…目を開けると男達に囲まれていて...

豊臣秀吉に捕まったと思っていたけど違ったみたい。そこにいたのはまた別の男達で、私を射殺すような目はしてないけれど 今の状況がとても良いとも思えなくて後退しかけてると、その中の一人の男性がこう言ったの。


「僕のこと覚えてない?」

「・・・?」


記憶をたぐり寄せてみたけど、私にこんな忍者かぶれした男の知り合いはいない。
覚えていないと答えれば、他の三人の男達から少し離れた所で、今 私の置かれた現状を説明された。


私は、ちょっと歪んだ戦国時代にタイムスリップしていた。 やっぱり。


薄々感じていたタイムスリップ説が、佐助という同じ現代から来たという人の話で確信に変わった。
言われて見れば、こっちに落ちる前彼の顔を見た気がする。

その佐助と一緒にいたのは、戦国武将の武田信玄、真田幸村、そして上杉謙信だった。

本当に歪んだ戦国時代らしく、
 戦国武将が恐ろしくイケメン揃いではないか。


現代仲間の佐助くんという味方を早々獲得した私は、彼の口利きで上杉謙信の城で預かってもらえる事となり、この状況下では悪くない滑り出しを切っているように思えた。


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