満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第48章 甘い水を求めて※《宇髄天元》
…さて、どーするかね。
そう呟いてはみたが思っていたより案外自分は冷静なのだ、と自分で感心してしまった。
その日の鬼狩りは、下級隊士を数名連れての任務だった。柱1人なら、素早く切って終了といきたかったところ、若手を育てるために前線より一歩引いて行く末を見守った。
まあ、それがダメだった。1人が襲われそうになった寸前に助けて、また1人喰われそうなところを助けた。
鬼の攻撃もいくつか交わしたが、何人も守りながら鬼の首を切るのはやはり時間がかかる。
で、庇ったすきに攻撃を一撃、微かだがくらってしまった。咄嗟に鬼の首は落としたが。
隊士たちが宇髄を心配して蝶屋敷へと勧められたが、傷ついてる隊士を優先して運ばせた。
攻撃はほんの少し喰らったものの、痛くも痒くもなくかすり傷ひとつなかったし、身体はピンピンしていたのだ。
異変に気づいたのはその鬼狩りの帰り道、水を飲もうと口に含んだときだった。
「ーーっんだこれ」
べっ!と思わず水を吐き出した。
水の味が、まるで砂のようにジャラジャラして泥水をすすってるようだった。
腐ってる水か?毒でも盛られたか?と思ったがどうやら違った。
食べ物飲み物、何を口に入れてもそれは苦い砂のようで、食えたものじゃなかった。
そして冒頭に戻る。
さて、どうするかね。
やれやれと思い、こういうときの胡蝶だ。
宇髄は重い腰を上げ蝶屋敷へ向かった。
「宇髄さん、飢餓の鬼にやられましたね。
何も食べられないんじゃ無いでしょうか」
蝶屋敷の診察で胡蝶にそう言われた。
「飢餓?…おいおいおい、俺はこのまま食い物食わねーで地味に死ぬのかよ…」
「ふふ、鬼の首は切っているので、日光に当たっていれば3日ほどで治りますよ」
にっこり微笑んだ胡蝶はどこか楽しげなのが多少ムカつくが、治ると聞いて心底安心した。
ただ、飲まず食わずの3日か。
死にこそしないものの、結構きついな。
血管に針を入れて直接水分をいれてはいるが、相当腹は減るし喉が渇く。
落ち込む宇髄に、胡蝶はにっこりと笑った。
「そんなに落ち込まなくてもいいですよ。
水や重湯ならなんとか摂取方法があります。
それはーーー」
胡蝶の言葉を聞いて、そりゃあなんと派手なこって、と呆れたように返答した。