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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第43章 「そう言うことは早く言え!」※《宇髄天元》


立派な外装のエントランスを抜けて、宇髄がカードをかざすとガラスの扉が自動で開けられた。

スタスタ歩く宇髄の後ろを必死でついて行って、エレベーターで21階に上がり、角部屋まで行く。
また宇髄はカードキーを差し込んで扉を開けた。

「ん」

宇髄に促されて戸惑いながら玄関に入ると、懐かしい宇髄の香りがした。この香り、知ってる。
バタン、と扉を閉まるよりも前に後ろからまた抱きつかれる。

会いたかった。ずっと探していた。
会いに来てくれて嬉しい。、、


耳元で噛み締めるようにそう囁かれ力が抜けそうになる。
前世で恋仲だったといえ、今世で初めて会った人に抱きしめられるなんて。

ドギマギしているとひょいと抱き上げられた。

「うわあっ、なに、するんですか…っ!」

「なにって、ずっと恋焦がれてたやつが目の前にいるのにやることは一つだろうが」

「へっ…?!」


スニーカーを脱がされて、ついでに背負っていたリュックも放り出されスタスタと廊下を進む。抵抗をするけどまったく歯が立たない。
扉を開けたそこは寝室で、普段ここに寝てるであろうキングサイズのベッドにボフンと放り出された。

「いや、あの、天元さん…っ、ちょっ、まっ…」

それは早すぎの展開じゃないですか!
ついていけない波奈をよそに、宇髄もベッドに乗り込み波奈に迫る。ギシリ、とベッドが軋む音がした。
紅い果実の実のような目はもうギラリと獲物を捕らえているようだった。
怖気付いて、は、と息を呑んで後退りする。

「ーー…いや、か?もしかして、もう誰か他に好きなやつとかいる?」

後退りした波奈を見て、宇髄は見るからに動揺した。

「い、いないです、わたしは…っ」

天元さんだけ。

泣き出しそうな宇髄の目を見て慌ててそう言うと、宇髄は目を優しく細めた。



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