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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第42章 Chocolate play ※《宇髄天元》







波奈が高校在学中は、好きな相手であるのに距離を取らねばならない教師の自分が歯痒かった。
どうにか手を回して美術係にはさせたが、一生徒を特別扱いしてはいけない。
卒業したら全力で落とし込もうと企んでいた。

前世の鬼殺隊時代ほどはいかないが、人よりも耳が良かった。ほんの微かに聞こえる、波奈の俺への鈴の音のような恋心はいつまでも聞いていたかった。

しかし波奈も教師である俺に遠慮してるのか、諦めているのか…それともリンリンと鳴る恋の鈴の音は俺への気持ちではないのか、
バレンタインは3年間くれなかった。そう言うそぶりすらも見られなかった。


それが、どうだ。卒業後、3年間の気持ちだと受け取ったそれらのチョコレートは、今までのどんなプレゼントより嬉しかった。
波奈の学生の頃の切ない恋心を思って、かわいいなと悶えてしまう。

「それよりお前あのとき勇気出して俺に渡してこいよ」

「だ、だってそんなの、宇髄先生ってばみんなの段ボールにポイしてるの見たら悲しくなっちゃったんだもん!」

「…あーあ、俺はお前からのチョコ待ってたのになあ」

「嘘つかなくていいですって」

プン、と膨れた頬を摘み上げてしまいたい。
朝ごはんで、先ほど一緒にパンをトーストした後、それにチョコレートを塗った。

昨日の夜、チョコレートプレイに使ったチューブタイプのチョコである。
波奈は昨日のアレコレを思い出したのかそれをぱくりと口にした後、しゅわしゅわと真っ赤になってしまっていた。…かわいいな、かわいいだろ、そんなん。

あーーまた食っちまいたいな。

チョコをたっぷりつけたトーストをがぶっとかじりながら宇髄は考えた。




End♡


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