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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第41章 初夜の譜面※《宇髄天元》





別に、セックスなんてすぐしなくたって心さえつながってればそれで良かった。
という思考に行き着いたのは、俺が赴任している中高一貫校に波奈が編入してからの3年間、我慢に我慢を重ねた結果だった。

前世、喉から手が出るほど欲しかったあの子に会えるのなんて奇跡に近い。
波奈は前世の記憶は無かったが、自分の持てるすべての術を使って波奈を落とし込んだ。
子どもで素直な波奈はあっさりと悪い大人に捕まって、卒業後に正式に恋人同士になった。
非常勤とはいえ教師の矜持と理性をがちがちに固め、高校3年間は波奈に指一本触れなかった。
卒業後、ようやく恋人とする触れ合いができると思ってはいたが。

『ウブすぎて手が出せねえ』

そう漏らすように言うと、同僚の数学教師が驚いたあと、くつくつと笑われた。
『ざまあ』、と。

『100戦錬磨のお前がねェ』
『どうすりゃいいの、普通そうゆーことって付き合ってからどんくらいですんの』
『知らねェ,自分で考えろォ』

そう吐き捨てた血も涙もない冷酷無惨な同僚を恨めしく思った。
そして今までてきとうな恋愛しかしなかった自分を激しく呪った。
本命は特に作らずに、しかしセフレは何人かいて、誘われれば気が向けば抱いて、彼女にしてと縋られたら適当にあしらって。あの頃の自分は、
波奈と出会うまでは本当にどうかしていた。

後悔先に立たず。この男慣れしていない真っさらな子どもを、一体どうしてやったらいいのか。
ゆっくりと解いてやるしかないと思った。手に慣れさせて怖くないのだと。しかし本人は最後までする、と言い放った。
ガタガタと簡単に崩れ落ちる理性と譜面。
言い放った割に途方もなさそうにこちらを見上げる瞳は涙で潤んでいた。

その顔ですら情欲は上昇するのか、先程からびりびりと下半身が痛い。秘めていた己の獣の牙が剥きそうだった。

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