満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第41章 初夜の譜面※《宇髄天元》
慣れろ、とでも言うように、宇髄さんの口が自分の唇を優しく噛む。もう何度も。
舌が侵入してきて誘うように絡みつく。逃げるように引っ込めても、後頭部を抑えられて囚われた。
鼻で息をしろとは教えられたけど、そんな余裕なんてなくて、はくはくと苦しげに呼吸してしまう。
「…っずいさん、っ…まっ、」
待って。いったん待って。
心して挑んだくせにもう弱音を吐き出しそうになる。
宝石みたいな赤い目が、波奈を覗き込む。その眼はしっかりと情欲が纏っていて、大慌てで目を逸らした。
「…うん。ぜんぜん待つけど。…とりあえず息しろ」
「う、あ、はい…っ」
はあっ、と大きく息を吸って吐き出す。ばくんばくんと暴れている心臓でもはや何にも聞こえない。
「…続き、いいか」
「う、あ、ひゃい…っ」
腰に手をやられ服を捲られた。
たくしあげられたTシャツが頭を通って、自然と両腕が上にやられて、上半身はブラ一枚になってしまい心許ない。
初めて見られた胸元が貧相だから、申し訳ないやら恥ずかしいやらで腕で隠そうとしたけど、宇髄さんは片手でそれを制された。
「…っあんま、みないで…」
「いや見るだろ…」
宇髄さんが呆れたようにそう言った後、また唇を重ねられた。離れてはすぐにくっつく唇が、唾液の水っぽい音を出している。
気づけば後ろに回された手でブラのホックを簡単に外されて剥ぎ取られた。
「う、うずいさんも…っ…脱いでくださいよ」
途方もなくて嘆くようにそう言うと、「じゃあ脱がせて」とベッドの頭元に寄りかかって言い放った。
「〜〜〜っ」
「ほら」
自分とはちがい全く余裕そうで腹が立つ。
ぷくっと頬を膨らませながら、震える手でシャツのボタンに手を伸ばした。
ひとつ、ふたつとボタンを外していく。その様子をじっと見つめる宇髄さんの視線で、手がもう震えるし汗をかくしで泣きそうだ。
シャツの奥は白い肌がチラリと見えて、さらに鍛え上げられた胸筋が覗いて、波奈はまた顔から火が吹き出そうになってしまった。