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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第38章 血鬼術を解いてよ宇髄さん3※



深紅の切長の綺麗な目を思い出す。
その瞳に熱っぽく見つめられて、あの熱くて大きな手で至る所を触れられた。
思い出すと身体の芯がじわりと熱くなって、お腹に力を入れるとキュンと疼いてしまう。

「……うずいさん……」

そこには居るはずもないのに勝手に名を呼ぶ。
キュッとシーツを握ってしまうと、自分の下半身が疼いてしまって膝と膝を擦り付けてしまう。
宇髄さんに抱かれて以降、なんだかやらしい身体になってしまって頭を抱えてしまっている。
宇髄さんのことが、もうずっと頭から離れてくれないのだ。

だめだよ、とかき消すように警鐘を鳴らす。
だってあの人は、綺麗で優しくて料理が美味しくてよく気の利く奥様方がいるじゃない。
そう考えると締め付けられたように、胸が痛む。

これは、どうにかしないとまずいのではないか。
血鬼術はまだ解けていないから、宇髄との閨はまだある。
これ以上宇髄さんに入れ込んでしまうと、戻れなくなりそうだ。

まずいな、どうしよう。
どうすれば宇髄さんが頭の中から出ていってくれるのだろう。

きっとたぶんわたしは、宇髄さんに惹かれている。

この不毛で無意味な気持ちを早く消さなくてはいけない。
決して宇髄さんに気付かれないように。

降り出した雨は勢いを増す。

トントン、と障子を叩く音が聞こえる。
障子を開くと鎹鴉が便りを運んでくれていた。




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