満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第4章 愛に似た《煉獄杏寿郎》
12月の寒空は、夜になるとチラチラと雪が舞っていた。
しかし、ここ居酒屋の中はほぼ満員で、ところどころで笑え声や話し声、乾杯の音頭が騒がしく響いており、人々の熱気で暑いぐらいだった。
師走とはよく言われたもので、期末テストの作成、採点、成績の処理、それが終わると三者面談で、息つく暇もなかった。
ようやく、本日無事に仕事納めであり、仕事仲間と忘年会を開催することになった。
明日から生徒は冬休み。して教師である自分も休みである。その開放感で、生ビールはいつもよりも美味しく感じ、するすると喉を通って言った。
それは同僚たちも同じであった。
「ま、無事に何事もなく今年も終わったな!
高3の受験はこれからだが」
宇髄先生が飲み干したビールをゴンっと机に置いてから言った。
「そうね!受験組も就職組も今年は目立って悪い子はいないし、それぞれの場所に収まるんじゃない?ね、煉獄先生」
胡蝶カナエ先生がチラッと俺の方を見て言った。
「む!ほうだな!今年はみな真面目でよく頑張るから期待している!!」
運ばれてきたいももちを頬張りながら応える。宇髄は声がでけえよと笑い、食べ終わってから喋れェーと不死川が呆れながら言った。
とまあ、教師による生徒の話しはさておき、不死川の弟はどうだ、とか、宇髄のペットの猫がどうだとか、お互いの近況報告などを話して宴会が進む。
気の置ける仲間との楽しい時間は過ぎていった。