満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第32章 禁欲の制裁※《宇髄天元》
「お前1ヶ月セックス禁止な。自分でやるのも許さねえ」
朝起きるなり、恋人である宇髄天元にいきなり突きつけられるようにそう言い放たれた。
へ?、と聞き返そうとしたが、ズキンとした頭の痛みは重たくて追いつかない。キッチンに立ちながら珈琲が入ったマグカップに口をつけている宇髄は、どう見たって怒っていて不機嫌なオーラをまとっている。
「う、宇髄さん…?昨日、わたしなにか、」
カタン!と宇髄はマグカップを流しに置いた。
それからハアーーと長めのため息を吐く。
何、怖い。
身構える波奈は恐れながら宇髄を見つめるが、宇髄はこちらを見ない。
「別に。お前が飲み会でどう飲もうが誰と飲もうが自由だ。
けどお前もうちょい自分がモテてることぐらい自覚しろよ」
そう言って宇髄は仕事道具を持って家を出た。
1人残された波奈は、宇髄の言葉を頭で繰り返して、その意味を考えた。
自分がモテてる…?とは。
自慢ではないけれど、好意を持たれたことは多くはないし、それを言うなら宇髄のほうが断然にモテている。
波奈はズキズキ傷む片側の頭を押さえながら、ミネラルウォーターを口に含んだ。
宇髄があんな不機嫌になる原因を、昨夜の記憶から辿るように思い出すことにした。