満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第31章 答えはでない《不死川実弥》
「んじゃ、今日はここまでだァ。質問あるやついねェか?」
チョークをカツンと置いて、パンパンと手を払う。
不死川はあたりを見渡した。
『はい!先生質問です!』
「あ?なんだ」
1番前の席の友人が待ってましたと手を上げた。
不死川は怪訝そうに聞き直す。
『昨日一緒にいてた女の人誰?!』
「は?昨日……?」
えー?先生誰といたのー?彼女ー?また妹でしょー?なんて浮かれたつクラスメートたちの声がざわつく。
不死川は本当に考えてるようで、手を顎において考え込む。
「…あーー…お前らほんっとそう言う話好きだなァ」
と呆れながら言ったところで、不死川はチラリと波奈を見た。
目が合った波奈は動揺してしまい、バッと下を俯く。
あ、また感じ悪いことしちゃった…
でも波奈はどうすることもできず固まってしまった。
キーンコーン。授業終了のチャイムが鳴り響く。
「…んじゃ、小テストは明日の朝返すようにすっから、数学係、放課後宿題の数学ノート集めて準備室にくるように。以上」
そうたんたんと告げたあと、不死川はハアとため息をついて教室をでた。
えぇーシナセン質問の答えはー?やっぱりあやしいー!
と、まだクラスメートたちが浮き立ちざわついていた。
波奈は不死川が教室を出たのを確認し、ハアアと大きく息をついた。
どうしよう、なんか会いたくないな…。
数学係は、まぎれもなく波奈であった。
→続く