満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第31章 答えはでない《不死川実弥》
5限目の数学の時間に、小テストが配られた。
クラスメートたちのブーイングがところどころで聞こえる。
彼はそれを軽く受け流し、「ちゃんと復習してたらわかる問題しかねェよ」らしい。
昨日の電話では、小テストのことなんて何も言ってなかったのに。
なんて。
1人の生徒を贔屓するような先生ではないことぐらい、波奈はすっかり分かってる。
「プリント渡ったか?じゃあ10分、はじめェー」
彼の合図で、無駄口をたたく生徒は1人もいなくなり、カリカリと言う音が教室に響く。
窓際後ろから2番目の波奈は、諦めながら上から順に問題を解いていった。
次の関数を微分せよ
次の極限値を求めよ
次の定積分を求めよ
問われている問題は、先生が言った通り基本的な問題ではあるが、波奈は上手く集中が出来ない。
何度もミスをして、スムーズにシャーペンが動かせず、消しゴムで何度も消して、書き直す。
焦りがじわりと波奈を襲った。