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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第28章 望みとあれば※【宇髄天元】






目を開けると、目の前に鍛え上げられた胸板が広がり、ふと目線を上げるとスースー寝ている、誰が見たって綺麗なお顔の宇髄さんがいて、波奈はひえ、と思わず悲鳴を上げた。

頭に宇髄の腕が枕のように差し込まれていて、一晩中この腕枕で抱かれていたと思うと激しく動揺した。
昨夜のことをつらつらと思い出して、腕の中でカア、と赤面する。
それにしても、昨日は…
両手首をひとまとめに縛られて、いつもより宇髄さんも激しくて、

ちょっとわたしも、き、気持ちよかったかも。

と思った途端また頭に血が昇るのを感じた。



どぎまぎとしていると、うーん、と起き出した宇髄は、ぼんやり目を開けた。


「…………はよ」

「……お、おはようございます…」

語尾は消え入るように宙に舞い、波奈はしゅわしゅわと溶けるように赤くなった。

「…あーー…身体、いける?」

「えっ、?…あ、!…だ、だだいじょぶです…」

昨夜の身体を気遣われたことが瞬時にわからずに、波奈はあたふたと答えた。

「そう」

優しそうに目を細めて笑い、宇髄は波奈の頭を優しく撫で上げる。その目は波奈への気遣い。そして、己の罪悪感をかき消すように、愛おしく波奈を見つめた。
そんな気持ちだとは全く知らず、波奈は宇髄の優しい目に、キュンと胸を鳴らせる。

次も縛られたいかもしれない、…と、思っていることは、宇髄はまだ知らない。



おわり
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