満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第23章 おとなの…×××※【宇髄天元】
「…夜中、携帯鳴ってたぞ」
むくりと起き上がって、波奈の頭をなでなでと撫でる。
揶揄う意地悪な宇髄さんとは違い、優しい表情だ。
「…ん、なんだろ?」
ベッド脇に置いてあるスマートフォンを手に取り、中を確認する。
宇髄は波奈を見つめる。
「……」
波奈はスッスッとスクロールしたり返信をしたり忙しそうだ。
「なぁ、大人のおもちゃの感想でも送ってんの?」
「え、?あ、ち、違います!」
「ふうん?」
「……う、うずいさん?」
波奈の身体に、腕を巻きつけ、ぎゅっとくっつく宇髄。
そんな甘えるような仕草に、波奈は驚いた。
「…どうしたんですか?」
「わかんねーの?妬いてんだよ」
「…え?」
「名刺いっぱい貰ってたし?携帯からのメッセージもどうせそいつらからだろ?」
ぷくりと膨れる宇髄のことをぱちくりとみた。
宇髄さんも、宇髄さんぐらいのひとも、こうやって恋人に、ヤキモチを妬くんだ、と驚く。
その様子がなんだかものすごく可愛い。一回りぐらい、年上の大人なのに。そう思う。
「…わたしは宇髄さんだけですよ」
それに、名刺は貰ったけど連絡先は交換していないし、するつもりもない。
ぎゅっときつく抱きしめる宇髄に、波奈も背中に手を回した。
固く筋肉質な逞しい身体に、また胸がドキドキと高鳴った。
「…宇髄さん、だいすき」
とたまらず呟けば、…うん俺も、と頭上から静かに聞こえた。
今日は日曜日だし、まだベッドに2人でいれる、そんな最高の幸せを、2人は噛み締めた。
【end】