満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第23章 おとなの…×××※【宇髄天元】
23時を過ぎた夜の街は、クリスマスも近いこともあってイルミネーションで彩られ、キラキラと煌めく。
ご指定の待ち合わせ場所に車を横付けに駐車し、ハザードランプのスイッチを押した。
待ち合わせ相手の波奈に着いたことを連絡しようと、頬杖をつきながらメッセージアプリを起動しようとしたところ、コンコン、と助手席の窓を叩く音が聞こえた。
「宇髄さんっ」
「おー」
時間ぴったりに待ち合わせ場所に来た波奈を感心しながら、助手席側のドアを開けた。
「ハーーっ!走ってきちゃった」
「もすこしゆっくりしてきたらよかったのに。だいじょぶか?」
「うん、…あったかい」
車内を暖房で温めていたため、波奈はほっと息をついたようで、寒そうに赤くなった手を合わせている。
「寒かった」
「そりゃそんなかっこじゃな、楽しかった?」
「すっごく!」
「そりゃよかった」
波奈の膝に置いてある、大きめの紙袋と、波奈のカバンを受け取り、後ろの座席によいしょと置いてやる。
ありがと、とにこっと言った波奈の上目遣いが可愛い。
真冬の季節のドレスコードは、女性にとっては寒そうだな、と見送るときに同情した。
今日波奈は、大学の先輩の結婚式の二次会に出席した。
結婚式用の華やかな水色のワンピースを身に纏い、普段は履かない高いヒールのパンプスをカツっと鳴らせて、普段あまり付けないパールのネックレスやピアスを付けた、いつもの違う波奈に、ほわっと見惚れた。
仕事も今落ち着いてるし何時になってもいいから迎えにいく、と言ったのは、そんな着飾った綺麗な波奈に、他の男から言い寄られ引き止められるのを阻止するためであったことは、波奈は知らない。