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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第19章 宇髄先生とわたし –記憶と悲恋ー中編


文化祭当日。クラスのメイド喫茶は着々と準備を始める。
波奈は言われるがまま制服からメイド服に着替える。

「うわー!波奈可愛い!」

クラスメートが波奈に近づいて感嘆な声を上げた。

「これはちょっとだいぶ恥ずかしいんだけど…!」

黒のニーハイと、ヒラヒラのスカートの間がスースーしてるし、
頭につけた猫耳をつけられるとさらに赤面した。
何が1番赤面したかと言うと、クラスメートの可愛い可愛いの言葉だった。

「いいじゃんいいじゃん波奈!ね?竈門!」

「ーーってなんで俺もメイド!」

わたしと同じく赤面している彼、竈門炭治郎。
竈門炭治郎と沢田波奈は、店子と写真係を任されたのだ。

わたしとしては、炭治郎が一緒にこのメイド役をしてくれるとは、大変心強かった。彼の気持ちはさておき、である。

「おーい、準備できたかァ?」

教室に入ってきた不死川先生、波奈の担任である。

「さねみん和服ちょー似合う!やば!」

さねみん、とは不死川先生のあだ名である。
和服姿の不死川先生が教壇に上がった。

波奈は不死川先生の和服姿をみて、ふわっと懐かしい気持ちがした。見たことがあるような、デジャブなような。

「沢田、ちょっと」

じっと不死川先生を見つめていたが、ふいに不死川先生に名前を呼ばれた。

「はい?」教壇にかけよる。

と、不死川先生は他の生徒に聞かれないようにそっと耳打ちで喋りかけた。

「お前さ、その格好であんまうろうろすんじゃねェーぞ」

「え、な、なんでですか…」

「いいから、もう、ここにいろォ」

「?」

よくはわからないが、このメイド喫茶をがんばれと言う意味かな?と思い、はい!ここでがんばりますね!と返事をした。

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