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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第18章 宇髄先生とわたし -出会と恋慕- 前編


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出会いと恋慕
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4月。桜の木々たちはその日に合わせたのかというぐらいの満開で、春の暖かな風はその花びらをきらきらと散らせていく。
真新しい制服に袖を通し、真新しい鞄を持ち、真新しいローファーを履くと、自然と身がキュッと引き締まった。
午前10時から行う予定の高校の入学式。
しかし波奈は、その時間よりもやや早くに、春から通う高校へと向かった。

入学式に新入生代表として挨拶を依頼されたのは、合格発表から少し経った頃だった。
えっ、私がですか?と電話越しに戸惑うと、なんでも入学試験にて一位の成績を納めた新入生が代表の挨拶をするのが通年らしい。
人前で立って話すのは苦手な性格の波奈は困惑し、どうにか断ろうと思ったが、懇願されたので仕方なく受けることにした。
頼まれると断れない性格でもあったのだ。

して入学式は他の新入生よりも少しばかり早めに会場入りし、軽いリハーサルを行うとのことだった。

春から通うキメツ学園の門をくぐると、校庭の桜の木々たちが出迎え、風にまう薄ピンクの花びらがひらひらと舞う。
雲ひとつない晴天の空の優しい水色と、薄桃色の花びらは幻想的である。
受付と書いている張り紙が貼られている、簡易的に作られた机まで来たが、誰もいない。どうしよう…と戸惑っていると、

「わりー、待った?」

と黒色スーツを着た背の高い男の人がハアハアと息を切らせて波奈に向かい声をかけた。

「入学式ぐらいちゃんとしろって煉獄がさー、あ、もう名前チェックした?」

グインと波奈に近づき、机の上の名簿に目を通す。
波奈はその男の身長の高さと、見た目に一瞬固まってしまった。髪の色は銀色で後ろに短く束ねていて、耳には金色のピアスを付けている。スーツの白いシャツはネクタイがなく、ボタンが2つ開けられていて、どう見たって教員には見えない。

「あ、し、してないです」声が動揺してうわずってしまう。

「オッケー、沢田波奈、チェック〜と」

机にあったピンクのマーカーペンで、波奈の名前に線を引いた。
あ、名前、知ってるんだ、代表挨拶するからかな。
といきなりフルネームを読み上げ、サラッと名前にチェックをいれたその人をチラッとみる。
綺麗な目。赤くて透き通っていて。
見た目はちょっと怖いというか、変わってるけど。
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