満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第15章 合間のいたずら※《宇髄天元》
「はいはいはいそこ地面舐めなくていいから」
「脳みそ爆発してんのか!あと100周は走ってこい」
「んっとにどーなってんだ最近の若手は!育てはどこのどいつだよ」
元音柱、宇髄天元の怒声が鳴り響く。
剣の竹刀を片手に、バシバシと地面に打ち付ける。ときにその竹刀で、隊士もバシバシと叩く。
元音柱による柱稽古は、常に厳しく、常に宇髄は怒っていた。
基礎体力作りに重向をおいた柱の稽古は、走り込みや筋力のトレーニングがメインで、隊士たちは朝から晩まで常にゼイゼイと息を切らしていた。
波奈は、宇髄のバシバシと隊士に竹刀を叩く様子がチラッと視界に入り、迂闊に近づけない雰囲気を感じ取っていた。
苦しそうに稽古についていく隊士たちに対して、もう少し優しくしてあげればいいのに、とは思うが。
「そんなんで上弦の鬼倒せると思ってんの?」
と。
彼らの目指すところは、とてつもなく、厳しいのだ。
だから波奈は、何も言えず口を紡いだ。