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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第2章 傷を癒す※《煉獄杏寿郎》



煉獄家の朝は早い。
杏寿郎とその弟の千寿朗が、朝から剣の稽古や打ち合いやら素振りやらをするからだ。
杏寿郎の父親は、ひと昔はお酒に溺れて朝は起きてこないことが多々あったが、波奈が煉獄家と関わりだしてから、父の愼寿郎は少しずつ変わり、今では3人一緒に素振りをしたり稽古をしたりするようになっていた。

柔らかく、穏やかな朝日が波奈の瞼を優しく刺激する。
う…んとまだ眠いのを耐えて瞼をあけると、朝日が襖からサンサンと照っていた。
良い天気…

ふと横に目をやると、
寝ているはずの杏寿郎の姿はなく、布団はきちんと折りたたんでいた。

そうだ、昨日、夫の杏寿郎は夜遅く帰ってきて、それで……

「えっ!」

さーっと青くなり、布団からガバッと起き、あわてて寝巻きから着物に着替えた。

杏寿郎がいる日の朝はいつも杏寿郎よりも早く起きるのが日課であった波奈は、ひどく慌てた。

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