満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第10章 ふたりの朝日※《宇髄天元》
「う、宇髄さんっ…」
布団に入ってもなお動揺を隠せない波奈は、腕の中で小さく暴れる。宇髄は制止するように首筋にキスを落としていった。
「…っまって…!」
波奈が宇髄の胸を両手でつく。
「…いい加減観念しろ」
宇髄は波奈の着物の帯に手をかけた。
「まって、宇髄さんっ…!わたし、…
はじめてで、」
「…んなこと知ってら」
何を言い出すかと思ったら、そんなこと。
経験があってたまるか、と。
「だから、あの、…どうしていいか全くわからないし、」
「はいはい。お前はなんもしなくていいから」
「喜ばすことはできない、と、思います…」
「…おまえなあ…」
一体何を言い出すんだ。
宇髄は心底呆れた。
そんなことを気に病んでいたのかと思うと、宇髄はガクンと力が抜けそうだ。
どれだけこの俺が波奈のことを好きか、どれほど手にかけたいと思っていたか…
彼女はわかっていないのだろうか。