満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第10章 ふたりの朝日※《宇髄天元》
「…宇髄さんっ…」
「んー?」
「宇髄さんの色気が凄すぎて直視できない…っ」
ぎゅっと目を瞑り、波奈は宇髄に距離をとった。
これには宇髄は予想外の返答で驚いた。
宇髄のはだけた着流しが、波奈には刺激が強かったのか…
「なんじゃそりゃ。…そういうお前も色気がすげーよ」
宇髄は、波奈の束ねている髪の毛に手をやり、そのままうなじのほうへ指をすべらす。
波奈はびくっと反応した。
「いい加減こっちむけって」
「でも…っ」
「…昼間はあんな大胆に抱きついてきたくせに」
「あ!あれは…ですね、つい舞い上がっちゃって…」
「んじゃあずっと派手に舞い上がっとけ」
手首をぐいんと掴まれて、宇髄の胸の中に波奈はすっぽりと収まった。
宇髄からほのかに宇髄の匂いと石鹸の匂いがふわっと鼻腔をくすぐる。
バクバクした心臓の音が煩い。
…きっと宇髄にも聞こえている。
恥ずかしくて泣きそうで、波奈はじっとその胸の中で固まっていた。